前編では取締役就任やPAJの課題を話しました。後編ではこれからのPAJについて語ります。(前編はこちら)

これからのPAJーコミュニティを育てる

ーーどんな風にしたらPAJはより良くなっていくと思いますか?

森:

ステアリングコミッティで議論して、「アドベンチャーラーニング」が、PAJの強みであると、明確に絞ったので、これからはそこに再フォーカスします。

そこがちゃんと絞れていなかったから、戦略的な動きになっていないし、パワーが分散してる状態がずっと続いていた気がするので。

強みをちゃんと認識していれば、いろいろな人たちとオープンに組んでいけるようになる。PAJはたくさんの施設を施工しているのだから、PAJが大切にしていることを伝えて、そこに共感してくれる施設のみなさまたちと、改めて思いをひとつにして、コミュニティをつくっていったらいい。

あとはPAに関心を持って講習会に来てくださった人たちの思いをもっと大事にするようなコミュニティをつくっていったらいいと思う。

APなどを受けたあとのさらなる成長機会をもっとつくることでで、仲間がどんどん増えていって、世界観が広がっていく。味方や仲間をもっと増やしていくということをどんどんやっていったらいいんだよね。

しんや:

それは絶対必要だと僕も思っています。PAJの中だけで全てをやろうとするとすごく狭い中でやっている感じになってしまいます。

もっともっと多くの人に知ってもらって、多くの人と話をしながらいろんな意見を聞いて進めていくべきだと思っています。

PAJの周りにはいろいろな業種の人たちがいて、いろいろな考えの人がいます。その中でどういう風にコミュニティをつくっていくかということが、すごくカギになっていきますね。時間を割いてでも、やっていかないとダメですね。

アドベンチャーラーニングというキーワードをベースに、僕たちが語る内容に磨きがかかっていけばよいコミュニティをつくっていけると思うんです。

アドベンチャーラーニングと共に

ーーPAJの強みのキーワードが「アドベンチャーラーニング」と改めて決まって、どうですか?

しんや:

施設をつくることだけでは、決して「ラーニング」にならない。その施設を使うスタッフやエンドユーザーのことをどれだけ考えられるか、自分たちの思いをどれだけクライアントに伝えられるかというところが一番大事なことだと思うと、ラーニングという言葉はぴったりだと思います。

施設をつくるだけだと、ただのイチ事業者になってしまう。でも「アドベンチャーラーニング」という言葉と共にあることによって、自分たちがここまでアドベンチャーのことを考えて、そこにしっかりとプライドを持ってやってるんだということが伝えられます。

そうするとクライアントにもきっとメッセージとして伝わるだろうし、その後の営業、運営の中でアドベンチャーに対する思いを伝えていってくれます。そういう関係性をつくっていきたいです。

森:

新しいメンバーが増えている中で、アドベンチャーや、アドベンチャーラーニングとは何なのか?その意味合いについて一人ひとりが頭の中でちゃんと意識していくことも大切なんじゃないかな。

フルバリューもチャレンジバイチョイスも、なんとな~くの理解ではなく、パッション込めて自分の言葉にして語れる状態になることが大事。それができないと、相手には共感されない状態になってしまう。

伝えたいのはフルバリューという言葉ではなくて、その魂。表現の仕方はいろいろあっていいと思うけれど、キーワードとして大事にしていきたいね。

しんや:

みんなフルバリューという言葉を知っているけれど、尊重し合いすぎて自分の意見を言いにくい場面などもあります。フルバリューは、自分の意見を言って、相手の意見も聞く中でぶつかることもある。お互いの意見をぶつけながら尊重し合うということをもっとしていきたい。

森:

フルバリューは、そのまんまで良いんだよ、人と人として向き合う相手をリスペクトするということでもあると思うんだよね。ちゃんと意見をぶつけあわないと、良いものが生まれてこない。当然、相手に受け入れられる言い方を工夫も必要だけど、自分自身の意見をきちんと伝えていかないといいものは絶対生まれてこない。

強みを生かし

しんや:

部門をまたいでの議論や全然畑の違う人が入ってくるだけで、気づきが生まれるんですよね。

それが今のPAJには重要かなと思っています。森さんが入ってきたのもそうだし、これからもどんどん他の人が入ってくる環境が揃いつつあります。

アライアンスを組んだり、コミュニティ化することで、自分たちの視野の狭さに気づいたり、逆に自分たちの強みがわかることが絶対出てくると思うんですよね。

そうやってお互いが意識しあえば、ほんとに良いチームになってくるんじゃないかな、会社としてもチームとしても。

森:

個人と組織のありようは似ていて、自分の強みをしっかりと認識し、本質的に自信がない人や組織は、必死に張りぼてを張って自分の領域を守ろうとしたり、自分の中で抱え込もうとする方向に走ってしまう傾向がある。20代の私がそうだった(笑)

自分が安心できるコア、これは絶対崩れないという自負心があれば、素直にいろんな人たちの知恵や力を借りられるので、成長機会に自然と恵まれる。それは会社も同じ。

だから強みをしっかり自己認識できていないと、排他性が強い組織になっちゃって枠の中だけで考えていって、どんどんシュリンクしていってしまう。

そこをあらためて再認識して、全ての仕事をPAJの強みに紐付けていく。それができれば、その強みでどんどん勝負できるから、アドベンチャーラーニングの領域にコンペティターなんていなくなる。PAJはまさに先駆者なので、そこにもっとプライドを持って仕事をしていったらいいと思う。

真のソリューション

ーーこれから我々が提供していく真のソリューションとはなんでしょう?

森:

「PAJの強みを元に提供するアドベンチャーラーニング・ソリューションとは、実際にはどういうことだろう?」「そのソリューションを届けたい真のターゲットとなるお客さまはどういう人なんだろう?」

そこを考えずに、あらゆる人や組織に、まんべんなく向き合っていてもリソースやパワーが分散するだけ。PAJが大切にしている思いに共感してくれない人は、お客さまになってくれなくていい!というくらいの心構えで臨まなければ、いいお客さまといい仲間に恵まれない。

しんや:

ゴマすって仕事を取るのではなく、信念を曲げずに仕事をする。売上が気になって信念を曲げて取るような仕事をいかに打ち切れるか。

森:

そんな仕事は、バカスカ切ったらいいと思います(笑)! 業者という言葉が大嫌いなんだけど、イチ業者扱いされることがないような関係をしっかりつくりあげることが大事。

パートナーとしてのお客さまだと思って関われば、ちゃんと向き合える。それが林さんの言うフラットな会社づくり、組織づくり、更には仲間づくりにもつながるんじゃないかな。

ーー森さんから見てしんやにはどんな風になってほしいですか?

森:

自分でも認識していると思うけど、もっと覚悟を持ってね(笑)。いろいろな会社でシンボリックな人がいなくなっていると言うけど、「しんやさんみたいになりてえなぁ」とスタッフに思ってもらえる存在になってほしいな。林さんとそっくりやる必要はなくて、しんやらしさを貫いてやればいいんじゃないかなと思う。まだまだこじんまりしてるよね(笑)

しんや:

まだまだ経験値が足りないですね。

ーー森さんから見たしんやらしさとは?

森:

それは自分の中で自分らしさを顕在化していくしかないんじゃないかな。取締役になると名乗りをあげたということは、その点では真の意思決定をして、腹くくっているわけだから。くくった腹を行動で見せていくこと、『魅せていくこと』が求められているんじゃないかな。

しんや:

僕はあんまり人付き合いも得意な方ではなくて、社交性もそんなに高くはない。だけどそれが自分の弱点ということを認識してるからこそ、逆にそこにもっと自分らしさを出せるようにしたいと常に考えています。でも一歩踏み出すのがちょっと遅いなと思っています。

森:

でも弱みを克服することに意識を持つことよりも、今のしんや自身の強みが何かということを考えていったほうがいいよ。

PAJに対して誰よりも強い思いを持っているから名乗りを上げたんだろうし。その愛情こそが、しんやの強みだと思うし。

どんな思いを後世に残して行きたいか。そこを軸にしながら、自分自身を改めて棚卸しをして、そこからスキル的なことをプラスアルファで身に着けていければ…。

しんや:

コミニケーションを取るのってすごく大事だなぁということをこの数年でとても体感したので、コミニケーションを取りながら進めていきたいですね。スラックやメールだけに頼るのではなく、リアルコミニケーションを大事にしたいと思います。

人との関わりは一番苦手な部分だけど、実は一番好きなんじゃないかと思っていて…。好きだからこそ、一歩踏み出して関わっていきたい!

森:

だね!どんどん、動きを起こしていこう!

(20210601)