インタビュー#114「交差点に立つ人に」

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非常勤ファシリテーターのこばたく(小林拓也)は、ダンスや表現を使ったワークショップで子どもから大人まで幅広い層と関わってきました。PAとダンス、表現を通したこばたくのありたい姿とは。

ダンスとPAの共通点

学生時代にダンスを始めました。チームで全国大会にも出させてもらったり、ショーに出ましたが、一番心に残っているのは、人とのつながりや、チームでの関わり合いです。ダンスを通して学んだことは、社会でも生きるものだと思っています。

ーー社会ではどんなちからとして生かされますか?

チームでダンスを通して表現するとき、「こうしてみたい、ああしてみたい」といろいろと考えたり話し合ったりします。

このチームやコミュニティではどうやったらお互いに言い合える空間になるか話し合っていきます。そういう風に人と関わる部分は社会に出てからも、ものすごく生きると思っています。

科学的根拠があるかはわかりませんが、参加者がダンスで素直に体を動かして、自分の殻を破ると、表情や言葉が変わります。

それはPAでアクティビティやエレメントを通して、感情や気持ちが出てくるのと似ています。PAのエレメントは、僕にとってダンスと近いですね。

いろいろな人と関わりたい

ーー初めてのPA体験は?

AP(アドベンチャープログラミング)講習会を受けました。濃い、刺激的な5日間でした。「これだ!僕もこれ言いたかったんだ!」と思いました。

PAは、自分がやんわりと思っていた、生きていくうえで好きなこと、大事にしていること、感じていることが言語化されているものでした。

僕は小さいときからスポーツをやっていましたが、そこにはグループや派閥がありました。でも僕はどのグループとも関わりたかったんです。いろいろなグループの人と話したり、考えを知ることで、自分も成長していきたいです。

ダンスでも、ダンススキルが上がるだけではなく、どうやったらこのチームがよりよくなるかということに興味があります。メンバー同士がよく知り合って、ぶつかりあって、ルールをつくって、みんなで向かっていく流れがすごく好きなんです。

OJT:エレメントでテンパる

ーーOJTはどうでしたか?

子どもたちとの関わりはダンスを通して経験があるので、全く抵抗ありませんでしたが、エレメントに関してはOJTのときにものすごくテンパりました。

2回目のOJTときに「ニトロクロッシング」というエレメントをやりました。OJTトレーナーがニトロをやるためのいろいろな情報(課題設定などの選択肢)を提示してくれました。でもいろいろなやり方の情報がありすぎて、この子たちにとってどの方法が最適なんだろう…と悩み、テンパってしまいました(笑)。

PAのファシリテーターとして、もっとエレメントの知識を得たいです。エレメントやアクティビティのレパートリーを増やすことで、選択肢が増えます。エレメントの選択に絶対の正解はありませんが、選択肢が多くあることで、いろいろなことができるようになると思います。その部分はもっと学びたいです。

ファシリテーターの立ち位置

ーーどんなファシリテーターを目指していますか?

なべちゃん(OJTトレーナー)が「ファシリテーターはグループの中にいたり外にいるんじゃなくて、一緒に輪の中にひとりとしているのがいいよね」と言っていました。

「僕もメンバーのひとり」と思ったら、自分が一歩引いたり、中に入りすぎて引っ張りすぎるのではなくて、同じチームのメンバーとして楽しめるようになりました。同じ気持ちで、同じ目線になること自体が楽しいです。

PAJのプログラムではまだ経験がありませんが、ダンスでは「やりたくないー」「つまんないー」という参加者がよくいます。そういう反応に関しては慣れていて、耐性があります!(笑)

小学生は正直ですね。そういうときはそっとしておきますが、こちらに来てくれたときの一瞬は大事にしています。何があってもとりあえず、その子のタイミングを待つと決めています。その子なりの時間を丁寧に感じます。

共感と笑顔

ーーファシリテーターとして強みは何だと思いますか?

僕は人の話を聴くのが好きです。ただきくだけではなく、その人に共感しながら自分を問うたり、その場にある空気、空間を感じながら、その人のことを探します。そういう包み込むような感じが強みかなと思います。あとは笑顔かな。いまはコロナでマスクしているから残念なんですけど…。

人の想いを感じることで嬉しくなったり、そこからいい空気が生まれることをすごく大事にしています。

ダンスは「人と違っていい」なんです。むしろ違っていた方がいい。そこを意識しているので、いろいろな人に違いを大切にしながら共感するということが強みになっているかもしれません。

きき上手になりたい

人の成長や気づきにとても興味があるので、ずっと人と関わることに携わっていきたいし、昔からきき上手になりたいと思っています。きいている中で僕自身もすごく影響を受けています。

人生の交差点みたいなところに立っていたいです。僕が交差点にいることで、困ったり、迷ったりした人がいろいろな選択肢を増やせたり、何かに気づいたり、新しい道を見つけてくれたら、喜びを感じます。

迷って交差点に来た人に、「いろいろな道があるよ」「また来た道を戻ってもいいんじゃない?」と声をかけ、その人が自分で選べる選択肢を見せられるような人間でありたいです。

(20210226)