インタビューvol. 085「スポーツをより自分のちからに」

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アスレチックカウンセラーであり、PAJの非常勤ファシリテーターである、すみよ(椎名純代)。アスレチックカウンセリングとPAの共通点や、スポーツで生かすPAとは。


PA(プロジェクトアドベンチャー)との出会い

アメリカの大学院でアスレチックカウンセリング(スポーツ選手を対象としたカウンセリング)を学んでいたときにPAと出会いました。同じ大学院に日本人の卒業生がいるのかを調べたところ、1人だけいたので、連絡してみたのが、KAT(難波克己、PAJ取締役)でした。KATは、当時、PAJでトレーナーをしていました。

日本でKATに会って、PAのことを知り、面白そうだと思いました。当時はまだアメリカ人トレーナーが日本にやってきてPAの講習会をやっていたのですが、その通訳の依頼を受けました。

PAのことはよく知らないまま通訳をしましたが、衝撃的でした!最初は知らない人が集まって、よそよそしい感じなのに、5日間の中でぐっと関係性が深まり、最終日はみんなおいおい泣いていました。

そこに到達するまでのグループの変容がすごくて、びっくりしました。ファシリテーターがアクティビティの説明をしたあと、一緒にグループの様子を観察しながら、「なんでこのアクティビティにしたのか」「なんでこういう説明で導入したのか」とファシリテーターに質問していたのですが、その意図の深さに驚きました。

私のやっていたアスレチックカウンセリングはマンツーマンです。でもチームスポーツに携わるときは、1対1だとキリがないというか効率が悪く、グループに働きかけができないかとずっと思っていました。そこで、PAをもっと勉強すれば、グループへの働きかけもできるので、もっとPAを学びたいと思い、アメリカのPA本部でインターンをさせてもらいました。

スポーツとPA

PAはスポーツにとても有効だと思っています。私がスポーツチームにプログラムをするときは、ロープスコースではなく、グラウンドや室内でPAの要素を使っています。

PAのエッセンスでは、チームの規範づくりとして「ビーイング」をよく使います。PAの「フルバリュー(最大限にお互いを尊重する)」の考え方は、スポーツの中にもともとあるので、それを彼らの言葉であらためて認識できるようなワークをします。

スポーツチームは、普段一緒に過ごしているので、タイミングさえ合えばピンポイントでPAを取り入れることができて、その効果を見られるのは嬉しいです。私だけではなく他のコーチからの働きかけもあるので、因果関係については一概にいえませんが、私はPAの手応えを感じています。

以前行ったプログラムでは、一体感を持ってシーズンに臨みたいという思いを実現するために、「なぜこのチームでプレーしているのか」という自分なりのストーリーを語ってもらいました。さまざまな思いがそれぞれの選手から出てきて、それをチームで共有できたのは大きかったと思います。

よりお互いのちからを生かし合うために

高校1年生のとき、サッカー部のマネジャーをしていました。うちの高校は隣町の高校に練習試合では勝てるのに本番では勝てなかったんです。能力的には負けていないのに公式戦では負けるのが不思議でした。勝てないのは気持ちの問題なのではないかと思ったのがアスレチックカウンセラーを目指した理由のひとつです。

もうひとつの理由は、運動が苦手なのに高校2年生から思い切ってバレーボール部に転部したことにあります。初心者だったので伸びしろがあって、どんどんうまくなっていくのが楽しくかったです。自分がミスしたのを仲間が目一杯カバーしてくれます。そういう助け合いを体感しました。そういう経験はいままでしたことがなくて、スポーツが持っているちからはすごいと思いました。

バレーボール部には、補欠組とレギュラー組がいて、私はあとから入ったこともあり、両方の話をきく機会がありました。双方から話をきいていると、これはみんなで話し合えばもっと強くなるのではないかと思いました。そういう仕事はないのかと思いました。

その頃のコーチがPAを知っていて部活に生かしていたら面白かったと思いますし、当時のメンバーでPAをやりたかったですね。

全体をみる

アスレチックカウンセリングでは、スポーツから学んだことを通じて、その人がよりよい人生を送るお手伝いをします。全人的なサポートをすること、豊かな人生を送ることが目的で、その人のパフォーマンスを上げることが目的ではありません。

スポーツと同様に、PAでもその子達の全体、グループの全体をみることに興味があります。なぜこの子はこういう行動しているのか、このグループの何がこの子に影響しているのかということに興味があります。

大学院で学んだアスレチックカウンセリングの基本の考え方は、いまPAのファシリテーターをするときにも生きていると思います。それは例えば、人の行動には必ず理由がある、相手をリードする前にまずきくこと、その人をわかったように思わないでわからないことをきくことなどがあり、自分自身に染み付いている気がします。

ファシリテーターとしての強み

私の強みは、待てるところかなと思います。たまに待ち過ぎてしまうくらい待ちます。待つのはあまり苦になりません。グループが停滞しているように見えても、動いているときがあります。ただ、周りで見ている先生やコーチは突っ込みたくてイライラしていることもあります。

本当に停滞していたら介入しますが、止まっているように見えているけれど動いているなと思うときは、待っていたいし、待てる性分だと思います。いい意味でも悪い意味でもあまり誘導しないし、しないようにしています。アイスブレイクのゲームなどを盛り上げるのは苦手で、それができるファシリテーターを見ていると羨ましいです(笑)。

PAは何年やっても、全然飽きないです。PAは生き方の一部になっている気がします。これからもPAのフルバリューやビーイングなどのあり方の部分を使って、何かしらを続けていくと思います。

(20191210)

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