■名前

氏名:佐藤順子

ニックネーム:さとじゅん

■略歴

「先生になる!」と揺るがない気持ちを持って、東京学芸大学に進学するも、教員採用試験は二次試験で敗退。学生課で見つけた「○光女子学園体育教師募集」の案内に「私立の先生でもいいか」と軽い気持ちで応募。即採用が決まり、喜んでいたところ、実は女子の少年院であったことがわかる。ところが、少年院での仕事に魅力を感じ、15年間、過ごしてしまう。少年院での処遇にPAの手法を取り入れ、PAの持つちからを実感。「塀の中に入る前の段階でPAを」と退職。公立小学校や専門学校での非常勤講師、児童養護施設での勤務を経て、現在は、PAファシリテーターとして、PAJの他に国立赤城青少年交流の家や国際自然大学校日野春校、八王子大学セミナーハウスなど各地の施設で活動中。また、学校に訪問し、PAの手法を用いて学活やキャリア教育などにも取り組んでいる。2匹のゴールデンハムスターと同居中。

■プログラムで大事にしていること

PAのファシリテーションをする際に、私は「うっかり」のちからを大事にしています。活動に夢中になって、つい「うっかり」名前を呼んでしまったり、手を差し出してしまったり…。少しばかり恥ずかしくてできないでいたことや日常とは違う環境だからこそ発揮できるちからは誰にでもあって、それらは「うっかり」顔を出してきます。「うっかり」をきっかけに、一歩を踏み出したり、仲間の良さを再発見したり、自分では気が付いていなかった自分と出会ったり、時に感情や自身の在り様に対峙するようなことも出てきたりもします。「うっかり」パワーはなかなかのものなのです。

それともうひとつ。私は「自分の気持ち」を大事にすることを投げかけています。「人に消しゴムを貸すとき、きれいに使っている消しゴムを貸すと、相手はきれいに使ってくれる。でも、黒くなって、丸くなって、穴の開いている消しゴムだと雑に扱う人もいる。自分を大事にしていれば大事にされるし、大事にできていないと大事にしてもらえない。」と考えているからです。人によって「気持ち」は違って当然ですし、「出し方」によってうまくいかなくなってしまうこともありますが、どんな「気持ち」であっても、それぞれの「気持ち」に嘘があるわけではありません。自分で自分の「気持ち」を丁寧に扱ってあげることで、次の何かが生まれると思っています。

インタビュー#016 「子どもたちのちからを信じて」
インタビュー#105「アドベンチャーパークでのファシリテーティブな関わり」